自己紹介 前田美知恵

michie

生い立ちから結婚まで

生まれも育ちも雲州平田。ちょうど出雲大社の裏山のようなところで青春時代を過ごしました。

近くに銅山があり、閉鎖される小学校低学年くらいまでは、県外から働きに来ている人達が沢山暮らし、活気のある田舎でした。県外から転校してきた友達の社宅へ遊びに行き、自分の家には無い暮らしぶりに最初のカルチャーショックを受けました。
今と同じくぽっちゃりの体型で中高の学校生活を楽しく過ごし、岡山の短大を卒業後に、歯科衛生士として働きました。勤めていた歯医者を辞める日に、みんなの前で厳しかった先生から私のブラッシング指導を褒めてもらい、歯ブラシの売り上げはナンバーワンでした。歯磨きを一日のうち一回は特に徹底的にするせいか、喋ると思いっきり出る歯茎に「歯茎美人」と言われます。(ちょっと複雑・・・。)
その後、デスクワークに憧れ、損保会社で端末入力や事故処理の仕事につきましたが、振り返ってみると、事務職より人と関わってお話する仕事が自分には向いていることに改めて気づきます。
就職した頃から小原流の生け花を習っていて花木は好きでしたが、実は育てて楽しむことはあまりした事が無かった私です。アロマに至っては、付き合い始めた頃に店長から贈ってもらったラベンダーのバスオイルが初めての出会いでした。

大失恋をして「もう結婚はしません」と両親にも宣言してから、しばらくたったころ、後輩の女の子の披露宴に呼ばれました。そこで同席していたのが店長(旦那様)です。第一印象はお互い最悪だったようです(笑)
二次会で新婦から、ハーブショップをしてる人だと改めて紹介を受け、近々行ってみようと思っていたお店だっただけに、「え~!この人がハーブショップの店長?!!!!!」と、ショックを受けました。披露宴に一緒に出ていた友人がどうしても行きたいというので、仕方なくお店に行ったのがきっかけとなり、その後すったもんだの末めでたく結婚。

試練の店番

当時のお店は、バイトの子が時々店を手伝ったりしていましたし、私は結婚してもOLの仕事を続けて、お店には一切関わらないつもりでした。

でも結果的に、出産を機会に仕事を辞めてお店を手伝うことになりました。そもそも手伝い始めた頃は、苗の棚の並べ方や水やり、何もかもが初めてのことで、戸惑うばかり。まして、初めての子供を自分で育てたいという強い思いから、まだ生後2ヶ月の赤ちゃんを連れて店番をしていました。目に涙をいっぱいにためながら、苗の棚を運んだことを昨日のことのように思い出します。

店番時代

涙の子連れ店番時代

接客も、殆ど体当たり状態。お客様からなにか聞かれても答えられないことも度々で、その都度店長に電話で聞いてお答えしていました。今から思うとお客様もよく怒らずにお付き合い下さったと思います。むしろ面白がって下さる方もいらっしゃいましたし、お客様に教えていただいたことが今の私を育ててくれたと思います。そして、店が暇な時間には、とにかくハーブ関連の本を読みあさった時期でもありました。

どうしても仕事優先になり、子育てや家事はいつも後回しになる事が多く、子供は延長保育になる事も度々でした。そんな自分を責めて落ち込む事もありましたが、ハーブの可愛らしい花が花壇に咲き乱れると、見えない妖精や花の周りで飛ぶ蝶に勇気づけられていた様に思います。

それから14年、今ではなんとか店頭を任されるようになり、日々楽しく店番をしています。店頭ではなぜかお客様から悩み相談を受けることが多く、時間が経ちすぎて店長に怒られることもよくありますが、聞き上手なのかもしれません。お気軽に声をかけてください。

私とハーブ・アロマ

植物を育てた事はあまりない方でしたが、店頭の小さいポットの中で花をつけるハーブ達のお世話をするだけでも、かなり沢山の事を学べたと思います。そんな中でつやっとした存在感のある葉と花に特徴のあるアカンサス・モリス、そして可愛らしいプリムラの原種カウスリップなどが私のお気に入りです。最近になって、少しずつですがバラも育てるようになりました。

カウスリップ

カウスリップ

エッセンシャルオイルは、今は資源枯渇で希少価値となりつつあるローズウッドが一番のお気に入りです。スイートマジョラムやゼラニウムも好きな香りです。

ハーブ(香り)が生活の中に無くても、特に不自由に感じる事はあまり無いと思われる方が大半だと思います。でも、少し心が弱っていたり、薬だけに頼りすぎるのはどうかと考えるようになった時に、土いじりをすることで大地からエネルギーをわけてもらい、ハーブティーやアロマの香りで少しでも楽になれたらと思います。

日々の暮らしと素顔

お店は6年前に現在の場所に移転して自宅兼店舗となりました。中学生の男の子とおじいちゃんおばあちゃんとの五人暮らしです。
「自宅もお店の様に良い香りで素敵になさってるんでしょう?」
と、お客様から聞かれるとドキッとします。自宅は生活感いっぱいで、部活から息子が帰って来た部屋の臭いなどは最悪です・・・。なのでお店は私の一つの部屋という気持ちでディスプレイを楽しませてもらっています。

音楽はゆっくり聞くことは今はなかなか出来ないですが、ラジオから好きだったニューウエーブソングやスティングなどがかかるとキッチンの作業もはがどります。息子のipodを拝借してファンモンを聞いたり、年末に紅白でさぶちゃんの歌を一緒に熱唱し一年の締めくくりとしています。

読書は眠りにつく前の短時間ですが、石田衣良の青春ものや、山本一力の江戸の世界に入って楽しむ他、星野道夫や百田直樹の『永遠の0』に号泣したりしています。

結婚してから、こんなに寝坊助の人だとは思ってみなかったと言われるほど、朝が弱いのと、『天然』と良く言われます。
毎日の生活が全部ハーブに染まり・・・という様な生活はとても出来ませんが、シンプルで楽しく暮らせたらと思っています。
だいぶ年を重ねてきましたが、ピンと背筋を伸ばしきちんとした大人でありながら可愛らしさを残した女性でもありたいとも願っています。(なかなか難しいです)